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『高野長英牢破り(たかのちょうえいろうやぶり)』あらすじ




 幕府の鎖国政策に異を唱え、開国を訴えていた高野長英は小伝馬町の牢に投獄される。牢に入って6年目になり、尊敬する渡辺崋山が腹を切って死んだとの情報を耳にする。なんとしてもこの牢獄から出て幕府の政策の誤りを世に知らしめなければならない。同房で盗人の栄蔵という男に揉み療治をしてもらっているが、彼は今月末にはこの牢から出られそうだと言う。長英は、自分が牢に入れられる直前、豪徳寺の境内に千両という金を埋めた。掘り出すにも境内は広いので自分でなければ埋めた場所は分からないであろうと栄蔵に言う。これは長英の計略であった。当時、火事が起きた場合、牢獄に火がまわりそうになると「決め放い」といって3日間の間に牢に戻ると罪一等が減じられるとのお達し付きで罪人たちは解放された。長英はこれを脱獄のための企てに使う。
 牢を出た栄蔵は早速、豪徳寺の境内を掘ってまわるが、広い境内を手あたり次第掘ってまわっても金は見つからない。果ては墓荒らしかと寺男に咎められ逃げ出してしまった。
 金を探すには、やはり長英から直接場所を聞き出すしかない。長英を脱獄させるために牢の近くで火事を起こそう、栄蔵は長英の目論見通りに考える。牢獄の近くに家を借りた栄蔵はせっせと木屑を集める。そして風の強い日、これに火を点けるとたちまち燃え広がり、小伝馬町の牢獄にも火の粉が降りかかる。決め放いということで長英も牢から解放される。まずは御徒町の門弟の所に行き、次に妻子の住む奥州水沢へと向かう。
 一方、栄蔵は豪徳寺で長英を待つが来るはずもない。あの火事で長英は死んでしまったかもと思う。また一人で寺の境内を掘ってまわるがまた先般の寺男に見つかる。事情を話すと「それならば」と2人で見つかるはずもない金をいつまでも掘って探し続ける。
 水沢に着いた長英は妻子と再会するとすぐに江戸に戻る。硫酸を使って顔を変え、三伯という名で青山にて医者を開くが、半年後には見つかり、庭先で自害をした。遺骸は塩漬けにされ首をさらされる。時代が変わって明治になり、高野長英は勤皇の士ということで再評価されるようになる。





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