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『出世の白餅(しゅっせのしろもち)』あらすじ




 近江国の藤堂村に、百姓の源助の息子で与右衛門という者がいた。大変な父親思い。農作業の合間には相撲や剣術の稽古をしていた。与右衛門十六歳の時父親は亡くなり、全ての財産を売り払い村を出る。一応侍の格好をしてどこかの大名へ仕官しようとするが戦功がなければそれも見つからない。与右衛門はとある大名家の玄関先で見た衝立(ついたて)をヒントに高虎と名乗るようになる。
 摂津国尼崎の小さな大名家で足軽になる。せっせと勉強をしている孫作という者と仲良くなり兄弟同様の仲になる。その大名家を2人で出奔するが、すぐに無一文になり食べるものもない。伊勢国四日市、どうせなら一番の所へ行こうと本陣森田屋に泊まる。腹が減ってしょうがない2人は玄関先の祝い用の餅を見てあれが食べたいと言い出し、宿の主は白餅を枡に盛って2人に提供する。これには「枡枡(ますます)御出世、末は白餅(城持ち)」の意味があり2人は感心する。翌朝2人は無一文であることを打ち明けるが、主は「御出世の暁にお支払いください」と告げ、さらに永楽銭五貫文を差し出す。2人は四日市を出立し関東、東北の松島へと進むが、相変わらず仕官する大名は見つからない。藤堂がもし城持ち大名になったら、自分は馬の口取る別当になると孫作は言い捨て、2人は喧嘩別れする。
 十数年の歳月が経った。藤堂高虎は秀吉の目に留まり、とんとん拍子に出世して、伊予今治八万石の城主となった。孫作は京極家に仕え家老上席三千石取りとなる。ある時、居相(いあい)孫作は高虎の城を汚い身なりで訪ねる。久々に対面した2人。孫作はかつて松島で約束した様、高虎の馬の口を取る別当になると告げる。頑固に言い張る孫作に困ってしまった高虎。戦の時には馬の口取る別当にし、戦でない平時は特別手当として五千石を取らせるということで決着した。
 その後関ヶ原の戦いで、高虎は伊勢津伊賀上野三十二万五千石の城主に。かつて孫作と共に世話になった四日市の宿屋の主に百両の金子と餅米二百俵を渡した。居相の家は正式に家老の列に加わり、永く藤堂家に仕えた。



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