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『鋳掛松(いかけまつ)』あらすじ




 両国の米沢町に鋳掛屋で松右衛門という者がいた。女房に死なれ、倅の松五郎を男手ひとつで育てていたが、しがない鋳掛屋稼業よりもできれば立派な商人になってもらいたいと、松五郎十二歳の時に麹町の大きな呉服屋・岩城升屋の小僧にした。松五郎では名が立派すぎるので「松吉」と名乗る。大変よく働き店の者にもかわいがられる。
 松吉は十四歳になった。ある日、一ツ橋・中納言様の屋敷まで使いに出かけ帰りは夕方になっていた。暗がりで出刃包丁を持った泥棒に出会う。首にぶら下げた風呂敷包みを寄こすよう言われるが、この縮緬の見本には店の名前が染め抜かれているので出所が分かってしまいお上に捕まってしまいますよと言う。松吉は泥棒に、これから店から五十両の金を持ってお使いに行くので、その金を盗んだらどうかと持ち掛け、これを受けた泥棒。松吉に誘われ2人で寿司屋に行く。腹いっぱい食べてお代は泥棒に払わせる。2人は岩城升屋の店の前まで来た。松吉の知恵でこの馬鹿な泥棒は捕まった。
 番頭は、松吉の頭の良さに感心するが、この頭の良さゆえ将来悪い事をし出したら店がとんでもないことになるかも知れない。父親の松右衛門を呼び、松吉を引き取ってもらう。
 松五郎は父親の跡を継ぎ鋳掛屋になる。十六歳の時に父親は亡くなりひとりになった。
 二十歳の時のある夏の日。両国橋でくつろいでいた松五郎。貧しい身なりをした枝豆売りの母と子がおり、子供は母親に何やらせがんでいる。その子は素足だった。地面が熱いので草履を買って欲しいというのだが、母親にはそれを買うお金がない。松五郎は金を恵むと、哀れな親子は喜んで立ち去っていく。
 しばらくして今度は川からドンチャンドンチャン音がする。欄干から覗くと、一艘の屋根船の中でどこかのお大尽が芸者・幇間をあげて舟遊びをしているところだった。
 あれも人ならこれも人。世の中ままならぬものだと思う松五郎。太く短く生きようと決意した。これから悪党の道に入り、元が鋳掛屋なので「鋳掛松」と呼ばれるようになる。




参考口演:宝井琴調

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